ジモ採るコラムをご覧の皆さま、こんにちは。田中ヒロユキです。いやー。先月の記事でも書きましたが、新型コロナ、なかなかエグいです。こんなこともチャンスに変えて進みます。
いつもなら、この時期といえば街中に就活生が溢れかえっています。あ、ちなみに今日は3月24日ですね。原稿締め切り当日です(スミマセン!)しかし、それもコロナウィルスの影響で、平日なのに就活生を全然見かけない日があったりで、何だか変な感じがしていました。が、今週に入りチラチラと就活生を見かけるようになりました。
とは言え、一方ではWEB説明会だとかで訴求している大手企業もあり、「偶発的な」学生たちとの出会いに賭けてきた企業にとってはホゾを噛むような状況です。
採用は企業のマーケティング活動に似ている
これ、何を今さら…という感のある言葉ですが、今のようにコロナウィルスで外食も観光も大打撃をくらっている時期だから尚更感じるわけです。この1ヶ月半ほど、妻を職場まで毎日送迎するんです。コロナウィルスで満員の地下鉄に乗せるのが怖くて。
で、その時見る光景の中に行列があるのに気がついたんです。毎晩。5人や6人じゃありませんよ。毎日のように20人くらいが並んでいます。2月の下旬の寒い時も、3月中頃の強い風の日も。
それは、とあるラーメン屋さんの前でした。
地下鉄の駅からの1キロくらい離れている、ちょっと不便な場所のラーメン屋さんです。駅前で割引券を配ることもしていない。5分で完食したら無料でもない。なのに毎晩行列…。今の時点ではこのお店はマーケティングに成功している状態です。
ラーメン屋さんはチェーン展開できたりします。でも、大きな資本を入れたから成功するほどラーメンの世界は甘くありません(想像で言ってます)。かえって広告宣伝が逆効果になることだってあり得ます。でも、徒手空拳でラーメン店を開いたとして、若い方が無条件で集まってくることも想像しにくい。つまりこのラーメン屋さんには、何か仕掛けがありそうです。(すみません。食べていないので全て妄想ですが)。
その仕掛けを持って集客しているわけです。でもこれって、企業の採用でも同じだとボクは考えます。
学生とご縁を繋ぐ思案、準備、動き。それは…。
就活生はついつい大手企業、上場企業、インターンでお世話になった企業…という具合に認知度のあるところから動いていってしまう(就活生時代のボクもそうでした)わけです。つまり、合同企業説明会「だけ」で学生との接点を作ろうとすると、説明会自体がふっ飛んでいる現状では、接点作りすらままならない。
では、ここで考えてみましょう。
- Q1)学生たちが中堅・中小企業を見てくれない、検討してくれない理由は何か?
- Q2)大手企業、有名企業、高知名度企業に流れてしまう理由は何か?
ちょっと考えたらいくらでも理由が挙がりそうです。考えるのはタダですから考えましょう。これが終わったら今度は
- Q3)学生たちがウチの会社を見てくれない、検討してくれない理由は何か?
を考え抜きましょう。
ここまで書いて思いましたが、外部要因はたくさん挙げられそうですね。
では内部要因はどうでしょう?直視するのがツラくなるようなこともありますが、有無を言わさず挙げましょう。
やらなければ、みんなで考えた採用戦略、採用方針も使えないまま時だけが進みます。名大社さんにお願いした出展料やナビの掲載量がムダになります。これは実にもったいない。そう思えばちょっと考えるくらい安いものです(多分)。
やはりここは、中堅・中小企業の採用の根っこに立ち戻る時です。上の3つの設問の答えを挙げきったところで、次のタスクですが…。企業さんごとにカラーや社風があるので、十把一絡げにできないのですが、それぞれの企業さんに自社のコンセプトをもう一度見据えていただくとよろしいかと。
例えば…
- 組織としての機動力の高さ
- 何事もチャレンジ精神でやったことないことにも取り組む
- スモールカンパニーとしての意思決定の素早さ
- 中堅・中小の風通しの良さ
- 条件、処遇より商売・ビジネスへの想い入れ
- エンドユーザーさんとの関係の良さ
- 地元、地域の方々、他の企業さんとの関係の良さ
- 中堅・中小ならではの権限委譲と評価と報酬
- 社員数は限られるけど、1社で賄えないことは多様な人と関わって進める
- 中小だけど同一労働同一賃金、クリアしてる…
などなど。貴社の魅力が必ずあるはずです。自社のコンセプトも必ずあるはずです。
もし無かったら?それは今働いている社員さんに大いに感謝してください(笑)。そこから何か始まるはずです。つまり大切なのは…
自社の事業コンセプト、採用コンセプト、組織のコンセプトをキッチリ言語化することです。
なぜなら、ボクも含めて人間は言葉によってのみ、考え、コミュニケーションをし、理解する生き物だからです。言葉にしていなければ何も伝えられないですし、就活生にとっては存在しないのと同じですよ。
さて、今回の記事でこのジモ採るコラムは終わりになるようです。読者の皆様とどこかでお会いできたら幸甚です。永らくご覧いただいた皆様、編集に携わってくださった梅原さん、こういった機会を下さった名大社の山田社長、高井さん、本当にありがとうございました。