新型コロナウイルス、様々な方面に影響を及ぼしています。未曽有の事態だけに、心の置き所が大切ですよね。さて、置き所といえば、ポジショニングということで、引き続きお話を進めて参ります。
復習ですが、ポジショニングの目的は、
ペルソナの心の中に独自性を獲得できる立ち位置を発見し、競合と比較されても自社が優位に立つポジションを見える化すること
です。
フレームワークとしては、今回ご紹介する「ポジショニング・マップ」を活用しますが、取り組む前に、情報を整理するため、先日取り組んでいただいた「連想マップ」で繋がったキーワードを参照しながら、「ポジショニング・マップ」の軸を考えていきます。
※「連想マップ」についてはコチラをご参照ください。
機能的価値
それでは、「連想マップ」でも事例として扱った洋菓子店を題材に、軸について考えてみましょうか!
今回、原材料にこだわる洋菓子店が、ペルソナを想定して、グルテンフリーのチーズケーキで独自性が図れると想定した場合、「機能的価値の軸」を考えてみると、
- 原材料:国産
- 特性:米粉
という要素が導き出され、その反対語である
- 原材料:国産 ⇔ 輸入
- 特性:米粉 ⇔ 小麦粉
が炙り出されます。
上記をそれぞれ、縦軸、横軸にとって、二次元座標を示したマップを作成し、「3C」で想定した競合店と自社のポジションを、座標空間上に位置づけていきます。
※「3C」については、コチラをご参照ください。
情緒的価値
続いて、「情緒的価値の軸」について考えてみましょう!
ここでは、
- 雰囲気:安心 ⇔ 不安
- 店構え:華やか ⇔ 地味
という要素のキーワードと反対語が導き出されたとすると、こちらもそれぞれ、縦軸、横軸にとって、同様に、自社ならびに競合店について、ポジションを取ってみます。
資料:©一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会
「ポジショニング・マップ」で、上手く軸を取るコツとしては、上記の通り、「3C」や「連想マップ」で抽出した要素ならびにキーワードを軸の言葉に反映させることです。そう、これまでのステップの積み重ねが、ここで意味を持ってくるのですね。
ここで、違和感を覚えたりしたら、今一度、「3C」や「連想マップ」のみならず、過去のステップを振り返ってみると、そこに答えが見えてくることは、実際少なくありません。だからこそ、ステップの積み重ねが重要な意味を持ってくるわけですね。
軸については、「機能的価値」、「情緒的価値」のみならず、
- 購買状況(買い方)
- 消費状況(近い方・利用法)
- 顧客の属性
等の切り口でも展開してみて、可能であれば、これら5種類の「ポジショニング・マップ」が作成できると良いでしょう。その5種類の「ポジショニング・マップ」から、何処の立ち位置がより独自性を発揮でき、市場機会仮説が現実化しやすいのかを見定めます。この「ポジショニング・マップ」というフレームワークは、とにかく実践してみることが一番ですので、自社の事業環境に置き換えて、直ぐにでも試してみては如何でしょうか。
意外な発見が、見つかるかもしれませんよ。
それでは、次回は、いよいよブランディングで最も大切な「ブランド・アイデンティティ」の構築について、進めて参りましょう。
引き続き、お役にたてれば幸いです。
ではでは!