立春を迎え、暦の上では、令和2年も春に突入です!改めて、リスタートを図るには、良いタイミングですよね。
さて、ブランディングのステップも、STPの集大成、「ポジショニング」に突入です。
この「ポジショニング」、後のマーケティング・ミックス(4P)へと繋ぐ重要なステップでもあり、これまで学んだ「セグメンテーション」と「ターゲティング」は、ある意味「ポジショニング」のお膳立て的存在と言えるかもしれません。
それでは、進めて参りましょう!
独自性の発見
先ず、ブランディングにおける、「ポジショニング」の定義について、触れておきましょう。日本マーケティング学会前会長でもあり、ブランディングの大家ともいえる、中央大学ビジネススクールの田中洋先生によれば、
「ポジショニング」とは、そのブランドが顧客の心理の中で、どのように知覚されるかを決め、他ブランドとの相対的関係において、当該ブランドの心理的位置づけを決めること
と説明されています。皆さんがコチラのコラムで学んでこられた要素を加味し、シンプルに表現するなら、
ペルソナの心の中で、独自性が築ける立ち位置を見つけること
と捉えておけば良いでしょう。
その本質は、差別化ではなく、競争しないでペルソナから支持される独自化された立ち位置を見つけることです。要は、比較されることなく、ペルソナに選んでいただきましょう♪ということですね。
補足ながら、この「ポジショニング」という概念を最初に提唱したのは、アル・ライズとジャック・トラウトという2人のアメリカのマーケティング・コンサルタントです。今から、半世紀ほど前のことになります。
※ご興味ある方は、彼らの共著「ポジショニング戦略」(海と月社)というマーケティングの古典も繙いてみてください。
敵を知り、己を知らば百戦危うからず
ところで、この「ポジショニング」という概念は、半世紀の歴史しかない、というわけではありません。半世紀(50年)×50倍、約2,500年前から伝わる「孫子の兵法」が、まさに「ポジショニング」戦略の元祖ともいえる内容です。
その基本は、「敵(ライバル)が機能しない、己の「ポジション」を見定め、独自能力を発揮しよう」という考えです。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」
強者であれ、弱者であれ、それぞれ活躍できる「ポジション」がある。という教えですね。しかしながら、これほど重要な「ポジショニング」を検討することなく、見切りでスタートし、時間とお金と人的資源を無駄にしてしまうケースのなんと多いことでしょう!
次回からは、「ポジショニング」の実践編ということで、事例も交えながら、理解を深めて参りたく存じます。
引き続き、お役にたてれば幸いです。
ではでは!