今年の残暑は厳しいですね。台風の影響もあるようですが、9月なのに猛暑日が続くのは、流石に身体に堪えます。さて、続くといえば、ブランディングのフレームワーク、前回までのセグメンテーションに続き、今回よりターゲッティングのステップに進んで参ります。
ターゲッティング
前回、セグメンテーションとは、端的に、「分けること」と定義しておりました。
それに対し、ターゲッティングは、「(絞り込み)選ぶこと」と定義いたします。その目的は、セグメンテーションによって細分化した市場から、自社の事業・製品・サービスを最も評価してくれるであろう、見込み客を選定することです。この見込み客という概念が、ある意味、あらゆるビジネスの起点となることは、ご理解いただけるのではないでしょうか。
それ故、この見込み客を見誤ると、あらゆる事業戦略が、的外れになってしまうことになりかねません。 もちろん、既にターゲッティングは済ませているよ、という企業様も少なくないことでしょう。しかしながら、実際、ブランディング支援に携わってみると、ターゲットを広く捉えすぎ、絞り込むまで至らない企業様も多くみられます。
特に、年齢、性別のみで済ませていると、かなり問題です。絞込みが甘いことが原因で、投資した予算の割に、効果を感じることが出来ないケースもしばしばですから。例えば、ターゲットを「アラフィフ~60代前半の女性」と絞ったつもりのケースを考えてみます。
- 独身OL
- バツイチ独身OL
- 専業主婦
- DINKS共働きキャリアウーマン
- 子育て終了で学習意欲旺盛な大学院生
- 高齢出産で小さな子供を持つ母親
- 親の介護に従事する主婦
等々
ダイバーシティの時代、「アラフィフ~60代前半の女性」の中にも、様々なライフスタイル・価値観を持った人たちが混在し、必ずしも一括りにできないことが、ご理解いただけることでしょう。
- 「自分で稼いでいるか?」
- 「結婚しているか?」
- 「子供がいるか?」
- 「親の介護は?」
等々
その属性を絞り切らないと、ぼんやりとした訴求メッセージに終始し、結果、真のターゲットに刺さらず、効果も十分見込めないことに陥ってしまいます。それを避けるため、絞込みのポイントとしては、
- 「対象セグメントの魅力」(市場規模、成長性、安定性、収益性、競合状況等)
ならびに、
- 「対象セグメントと自社との親和性」(自社の理念、事業ドメイン等)
を見極め、そのセグメントを狙うことに価値があるかどうかを判断軸にして進めます。その際、PEST分析や3C分析で導き出されたアウトプットを確認しながら、属性を絞り込んでください。
洋菓子店のターゲット
イメージを抱きやすくするため、洋菓子店のターゲット属性リストをご紹介してみましょう。
※洋菓子店も、全国的に倒産が急増しているようで、なかなか大変ですが・・・
https://news.livedoor.com/article/detail/17053477/
- 年齢:25~35歳
- 性別:女性
- 結婚:既婚
- 家族構成:夫婦+子ども1~2名
- 居住地:愛知県一宮市
- 世帯年収:400万~500万
- 情報入手方法:友人口コミ、地域情報誌、インターネット、TV
- 性格:明るい、穏やか、優しい、綺麗好き
- ファッション:キュート、ナチュラル
- 1回の購入代金:1,000円
- 来店回数:月2回
- 用途:女子会、自分買い、手土産
等々
このように、属性群をまとめた「属性リスト」を作成すると、かなりターゲットが明確になってきませんか。そして、セグメンテーション同様、一人で難しく考えすぎず、チーム単位で楽しみながら取り組んでみていただくことがオススメです。柔軟な発想から、お宝のような属性を発見することができるかもしれません。
ターゲッティング、次回も続きます。
今回もお役にたてれば幸いです。
ではでは!