あなたの「ホーム」はどこですか?
安心できて、はたらきやすくて、ベストな仕事ができる。そんな「ホーム」があれば、力を十分に発揮してはたらけるに違いない。
「ホーム」ってなんでしょう?地域のエピソードを参考に、色々な角度から、このテーマを考えてみます。
あなたの「ホーム」には何が必要だと思いますか?
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飲み友達→商工会さん→素敵な社長さん
「とても熱い方だって聞いていますよ!」
開口一番、社長さんはこうおっしゃいました。とある案件のご提案で、地元の商工会の職員さんからご紹介いただいた企業さん。昔から名前は聞いたことのある会社でした。その社長さんが、初めて会うなり冒頭のようなセリフで暖かく迎えてくださった。とても嬉しくて。ご紹介くださった方に感謝して。その言葉を裏切らぬように、お話を聞いて、ご提案をさせていただきました。
今年の春に入らせていただいた地元の商工会。入会のきっかけも、実は自分からというより、地域で“ビジネス上の付き合い”よりも“ボランティア仲間”や“飲み友達”とでも呼んだ方が正しい、自営業の大先輩たちからのご紹介があったから。そうしてつながった商工会の方とのご縁が、次へ次へと連なっていく。仕事だけでなく、地域での活動などでの付き合いを通じて、人柄も含めて自分をみてもらえる。自分にとって、ホームとなる場所があってのことだなぁ、とありがたく感じています。
「噂通りの熱い方でした。ご一緒できることがあれば、ぜひどんどんお話聞かせてください」
ご提案させていただいた件も前向きに考えていただけて、さらにこんな嬉しい言葉までいただいて。とても嬉しくなって、会社を出てすぐに商工会の通称「スーさん」(社長さんはたまにこう呼ぶらしい)に、電話してしまいました。
つながりは、簡単にはできない
「ローカルに働く強みは、地域の中でのつながりの深さだ」。そうおっしゃる方は多いですし、私もその通りだと思います。ただ、そのホームでのつながりをどう築くのか。決して簡単ではありませんし、一朝一夕はできません。少し話が変わりますが、僕はこの5年ほど、夏になると、友人と一緒に元は縁もゆかりもない地域のお祭りに、盆踊りの踊り手として参加させてもらっています。
お祭りに向けて約2週間、地域のお母さん、お姉さんたちと一緒に盆踊りを練習し、その隣ではお父さんや子どもたち、若い衆が豪快に太鼓を打ち鳴らします。本番では、それぞれが練習の成果を発揮し、熱い祭りの一日が終わると、みんなが「今年もよかったね!」と達成感に浸る。そんな、地域の伝統あるお祭りです。
そんな場に加わる機会をいただいて5年。毎年来たいと思える場になっていて、踊りを教えてくださる方々は「今年も夏が来ましたね!」と暖かく迎えてくれます。よそからヒョコヒョコとやって来て、最初は垣根なくなんていうのは難しいもの。毎年2週間でも、同じ時間を5年過ごして、徐々に距離が縮まっていく。今年はより、コミュニケーションが親しみあるものになり、つながりの深まりを実感できて嬉しくなりました。僕にとっては、ここもまたホームだと思える、大切にし続けたい場所です。
人と人とのつながりは、時間をかけて深めるもの。同じホームで暮らすから、同じホームを大事にしているから、できるつながりがあります。ビジネスライクなだけでない、大切にしたつながりが次の一歩のきっかけをくれる。これもまた自分のホームをもつ醍醐味だと思います。
ホームでのご縁は人生の財産。