真田丸を毎週楽しみにしている歴史好きのキャリアアドバイザーの臼井です。あっという間の一年でした。今回は織田信長から学んでいこうと思っています。
嫁ブロックという高いハードル
日々転職相談をしている中で、20代後半~30代後半の方になるとご結婚されている方が多いです。奥様に転職活動の事、自身の考えなどしっかり話をされている方はいいのですが、決まってから相談するという方がおられます。
この中で内定は出たけれど、奥様の反対で頓挫してしまうケースがあり、業界では「嫁ブロック」という言葉も生まれています。
新卒の就活では「親ブロック」という言葉もありますが、ブロックされるのは母親であることが多いと言われ、女性の反対を押し切るのは難しいようです。
真田丸もいつも淀君に押し切られているように。
織田信長に学ぶ嫁ブロック対策―秀吉の妻寧々に手紙を送る
ではそんな嫁ブロックを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
例えば営業の場合、相手のキーマンを抑えることは非常に重要になります。採用したい方、辞めてほしくない社員のキーマンは誰かというと奥様であるケースが多いのです。
これは採用であったり、人材流出を防ぐうえでも重要なのではと思います。そんな何かつけて気を付けなければいけない嫁ブロックをうまく利用したのが織田信長なのです。
その実例として家臣の羽柴秀吉の妻、寧々に宛てた手紙が現存するのです。
女好きの秀吉は浮気が多く、寧々が信長に謁見したときにその不満を信長にぶつけたらしいのです。
家臣秀吉の妻、寧々を立てる信長の気配り
その時もらった土産の返礼もかねて寧々に送った手紙なのです。手紙にはおおよそ下記の内容が書かれています。
- 以前に会った時が10ならば、今は20の綺麗さだ!
- そんな寧々は秀吉にはもったいない女性であり、秀吉の浮気はけしからん!
- やきもちなどやかず、正妻として堂々と振舞いなさい
- 夫を立てるのが妻の役割であるで、秀吉のことは面倒を見てやりなさい
- この手紙は秀吉に見せなさい
しかも丁寧に天下布武の刻印が押印されています。まずはしっかり寧々を褒め、寧々の主張を受け入れています。キャリアカウンセラー顔負けの傾聴ができているのです。
そのうえで、気持ちを鎮めるように諭し、夫を立てるように促しており、信長にここまでされては、感動しないはずはありません。主人の主君の事を好きになるのは間違いなしでしょう。最後にこの手紙を秀吉に見せるように言っており、信長の刻印の押された手紙でかつ、主君が妻の味方だと知れば秀吉じゃなくてもビビります。
基本秀吉は寧々には頭が上がらないところがあったようで、寧々の心をつかんでおけば、裏切ることはないだろうと考えたのかもしれません。
ツンデレな信長の神対応に寧々はイチコロ。
このような気配りは現代でも通用するのではないでしょうか?
織田信長という人物は一般的に冷徹で、短気、非常に怖いイメージがあると思います。恐怖政治で家臣を統率してきた印象も強いと思いますが織田信長の手紙を見ると気遣いができて、心やさしい一面が見えてきます。
内容もさることながら、信長の女性への気遣いがすごいのです。その理由は「かな」を多用した手紙だったのです。
当時は男子への教育に力は入れていたのですが、女子への教育は男子ほどではなかったと言われています。 寧々も武士の子とは言えそれほど身分の高い家の出ではないので、漢字を読むことはやはり男子に比べ得意ではなかったのでしょう。
ここまで信長にされて感動しない人はいないと思います。この信長の行動を現代にどう生かせるかを考えてみましょう。
東海地区の求職者や学生の気質
学生の場合、実家から大学に通う方が多く、親との距離が近いのでしょう、就職の相談を母親にする学生は男女とも多い傾向があると感じられます。
男性も、東海地区以外の出身の方で東海地区出身の奥様であるケース、交際しているケースなど、東海地区で働いてほしいと言われ相談に来る人もいます。もちろん、この地域での転職も女性の意向が強く反映されていると感じます。
やはり現在も女性の力、影響力は大きいようです。
対策としてトップが社員の家族、恋人とコミュニケーションをとる!
採用と人材流出阻止の両面を考える必要が出てきている中、求職者の奥様や社員の彼女や、奥様への気配りをトップ自ら行うことは効果が期待できると思われます。
夫や彼氏の会社の社長が自分に気を使ってくれることは嬉しいでしょうし、会社への興味関心が深まると思います。
加えて、自分が気にしてもらえるは、夫や彼氏が会社で評価されているのではと思い、改めて見直す機会になるのではないでしょうか?
求職者であれば、入社の決め手になるかもしれないし、社員であれば、仮に退職を考えていてもストッパーになりうるかもしれない。嫁ブロックが発動するトリガーになりうるのではと思います。
これは男性社員にかかわらず女性社員も同じ効果は期待できると思います。夫が妻の会社で評価されていると感じ、仕事をしやすい環境を協力して作っていこうと思うのではないでしょうか?
自分も負けないように頑張ろうと奮起するかもしれません。
社員という当事者だけでなくその家族に意識を持つだけで効果を発揮する可能性があると思います。