名大社が伝える中小企業の採用担当者向けメディア
POWERED BY 名大社
求職者の方はこちら
求職者の方はこちら

「安全委員会」及び「衛生委員会」について

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

早いもので次の土曜日は、ひな祭りですね、春はすぐそこまでやってきています。いつもコラムをご覧いただきありがとうございます、社会保険労務士法人あさひ合同事務所の竹田です。

12月のコラム「企業の果たすべき労働災害の責任について」で労災事故の増加に触れましたが、厚生労働省発表の「平成29年における労働災害発生状況について」で、労災事故が増加していることの裏付けが取れました。労災事故増加の原因は様々と思いますが、人手不足もその一因ではないでしょうか。採用難、定着率の低下など中小企業は人手不足に拍車をかける難問が立ちはだかっています。

そこで、今回は、より良い職場環境の実現でそれらの問題解決の一助となりうる、労災事故の防止と健康の維持を企業として推進するための、「安全委員会」及び「衛生委員会」について、その役割と内容を見ていきましょう。

 

「安全委員会」とは

「安全委員会」は、労働安全衛生法にその設置が義務付けられています。

建設業や製造業の一部(化学工業や輸送用機器製造業など)、運送業の一部(貨物運送業や港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業などでは、各事業場で常時使用する労働者数が50人以上であれば、「安全委員会」の設置が義務付けられています。

上記以外の製造業や通信業、デパートやスーパー、旅館業やゴルフ場などでは、各事業場で常時使用する労働者数が100人以上であれば、設置が義務付けられています。

ここで、事業場とは、「企業」を単位とするのではなく、物理的な「場所」などを単位とします。

例えば、労働者が100人の貨物運送業で、本社しか事業場がない場合は、50人以上の事業場となり、安全委員会の設置が必要ですが、本社に30人、A営業所に30人、B営業所に40人の場合、どの事業場も50人以上ではないので、「安全委員会」の設置は、義務ではありません。

「安全委員会」は、会社側の代表と労働者側の代表が、職場の安全や事故の防止などについて話し合い、計画を立て、対策を講じる場です。委員会の構成人員については法律上の規定があり、その要件を満たす必要があります。

「安全委員会」の具体的な活動については、月1回以上委員会を開催し、作業場の安全パトロールや、安全確保のための声掛けなどのコミュニケーションの実施、安全に作業ができるためのルールの策定、安全教育の実施、5S運動の実施、ヒヤリハット報告及び改善提案の実施、リスクアセスメントの実施などがあります。

これらの活動を通して、従業員の皆さんに安全に仕事をする意識付けを行ったり、起こりうる危険を事前に排除したりします。

安全に就業できる職場は、従業員にとって大きな安心であるとともに、会社にとっては、安全配慮義務の履行でもあります。従業員が安心して働ける職場は、従業員の定着率や満足度の向上につながります。

 

「衛生委員会」とは

「衛生委員会」も労働安全衛生法にその設置が義務付けられています。すべての業種で、各事業場で常時使用する労働者数が50人以上であれば、「衛生委員会」の設置が義務付けられています。

委員会の構成人員については法律上の規定があり、その要件を満たす必要があります。「安全委員会」と大きく異なるところは、産業医が構成メンバーとなっていることです。

「衛生委員会」の具体的な活動については、月1回以上委員会を開催し、健康障害を防止するためのルールの策定や健康維持や増進のための健康診断、ストレスチェックの計画及び実施、作業環境測定の計画や実施、メンタルヘルスに関するセルフケアや熱中症予防などに関する衛生教育の実施、職場の定期巡回などがあります。

また、長時間労働の改善案の策定や会社に対する提言を行ったりもします。これらの活動を通して、従業員の皆さんに健康的に職業生活を送っていただく意識付けを行ったり、健康維持に努めます。

従業員は、少なくとも生活時間の3分の1を職場で過ごしています。職場は、いわば従業員の生活の場ともいえます。その生活の場が暑すぎたり、寒すぎたり、汚れていたり、不自然な姿勢等の身体に負担がかかる作業であったり、人間関係が良くない場合には、その人にとって不幸であるだけでなく、生産性の面からも能率の低下をきたします。

このようなことを防止するために、「衛生委員会」が活発な活動を行うことが望まれます。「安全委員会」及び「衛生委員会」の設置が義務付けられる事業場では、この2つを合わせて「安全衛生委員会」として運営してもかまいません。それぞれ別に活動するよりは、1つの委員会として活動した方が効率的だからです。

 

小規模の事業場ではどうするか

「安全委員会」及び「衛生委員会」の設置が義務付けられない小規模の事業場は、「安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければなりません。(労働安全衛生規則)」企業は、業種により、「安全衛生推進者」や「衛生推進者」を選任して、前記の機会を確保しなければなりません。そのために、「安全衛生懇談会」「衛生懇談会」などの名称で安全衛生活動を行うようにしましょう。

しかし、特に小規模の事業場や中小企業では、実際に何から始めてよいのか分からないことが多いのではないでしょうか。

それらの事業場では、

  1. 健康診断の実施率が低い
  2. 労働災害の発生率が高い
  3. 産業保健や労働衛生の知識が不十分
  4. 事業者と労働者双方の産業保健への意識の欠如
  5. 労働時間が長い

などの問題を抱えているケースが多いと思います。そこで、活用したいのが、「産業保健総合支援センター」又は「地域相談窓口(地域産業保健センター)」です。

これらのセンターでは、

  1. メンタルヘルスを含む健康の管理について
  2. 長時間労働の対象者への面接指導
  3. 健康診断の結果について医師の意見を聞くなどの相談

の他、戸別訪問によるメンタルヘルス対策、作業環境管理、作業環境等状況に即した労働衛生管理指導を受けることができます。是非、活用いただいて、従業員に安全で健康的な職場環境を提供できるようにしたいですね。

労災事故の防止と健康の維持を企業として推進することは、企業で働く従業員の「幸福」を実現するために絶対に必要なことです。従業員の能力開発や社会貢献意識の醸成は生き甲斐や働き甲斐につながります。そして、その前提となるのが安全で健康的な職場作りです。

このことは、従業員の定着率の向上に影響を与えます。また、従業員の「幸福」を追求する企業には、良い人材が集まってきます。中小企業では、安全衛生に力を入れることで、社会から今まで以上に評価される企業となりうると思います。

ライター紹介

竹田 紀子

http://www.asahi-support.jp/

社会保険労務士法人 あさひ合同事務所
特定社会保険労務士
大手ホテル系レストランで、人事・労務に従事。
社会保険労務士資格取得後は、社会保険労務士事務所に勤務し経験を積む。
その後、愛知労働局 総合労働相談コーナーにて労働相談員として労働相談を受け、企業側、労働者側双方からの数多くの事例に労務管理のプロとして対応してきた。
現在の事務所に入所後は、顧問先の様々な問題に対するアドバイスを精力的に行っている。

関連記事

給与における各種手当の今後の動向

給与における各種手当の今後の動向

外国人の雇用について注意すべきポイントとは?

外国人の雇用について注意すべきポイントとは?

派遣労働者の受入のポイント

派遣労働者の受入のポイント

ジモト採用のことなら名大社にご相談ください

採用でお困りでしたら私たちがサポートに伺います

弊社は創業以来クライアント数延べ3,000社、東海エリアのジモト企業と求職者の数々の出会いの場を創出してきました。

ジモトに根ざした名大社だからこそわかる個社の魅力を発見し、求職者に誠実に伝えていく為、全力でサポートさせて頂きます。