名大社が伝える中小企業の採用担当者向けメディア
POWERED BY 名大社
求職者の方はこちら
求職者の方はこちら

有期労働契約から無期労働契約への切り替えについて~ポイントや注意点とは?~

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

真冬かと思うほど急に冷え込みが厳しくなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?いつも、当コラムをご覧いただき誠にありがとうございます、社会保険労務士法人あさひ合同事務所の社会保険労務士 竹田です。

年末にはお世話になった方へお歳暮を贈られる方も多いと思いますが、宅配業界の人手不足から配送料が高くなり、負担増になりますね。人手不足といえば、大手企業では、パートタイマーや契約社員を正社員化することで、離職者を減らし、人手不足に対応している様です。

来年4月1日以降は、有期契約労働者の「無期契約転換権」の行使も可能となります。今一度、「無期転換権」についておさらいしておきましょう。

 

無期契約転換権

平成25年4月改正の労働契約法第18条では、「同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換することができる。」と規定されています。有期労働契約は、6ヶ月や1年など期間を区切って労働契約を結ぶ場合であり、期間の定めのない正社員や、パートタイマーであっても期間の定めのない労働者は無期労働契約を結んでいることになります。

また、有期労働契約は、いわゆる契約社員や雇用期間を区切ったパートタイマーの場合であり、1日の所定労働時間の長短は関係ありません。無期労働契約は、「いつからいつまで」という期間が定められていない契約であり、通常は、定年年齢になると、定年退職をすることになります。

具体例

平成25年4月1日に締結した1年間の有期労働契約を例にとって解説します。

期間満了ごとに労働契約を更新して、5回目の契約を更新するとその契約の初日、つまり平成30年4月1日以降は、同一事業主との間に5年を超えた反復契約となるので、この時点で「無期転換権」の行使の権利が発生します。

この5回目の更新契約期間内に、労働者から事業主に対し、「無期転換の申出」をすると、事業主は、それを承諾せざるを得ず、契約期間満了後の平成31年4月1日から無期契約が自動的に締結されることになります。また、5回目の更新契約の期間に、「無期転換の申出」をしなかった場合は、それ以降のどの契約のいつの時点でも、「無期転換の申出」ができます。

無期転換した場合は、正社員などと同様に、定年年齢まで勤務することになります。ただし、注意を要するのは、「無期転換」=「正社員」とは限らないということです。無期転換をして正社員と同様定年まで勤務が可能になりますが、職務内容や待遇までが自動的に正社員と同様になるものではありません。

通常は、無期転換前の契約社員や有期パートタイマーと同様の勤務、処遇になることが想定されます。ただし、このためには、無期転換した労働者に対してどの就業規則が適用されるのかを明確にしておかなければなりません。

正社員、パートタイマー、契約社員の就業規則はあるが、無期契約社員の就業規則がない場合には、適用される就業規則が、正社員の就業規則とされ、正社員と同様の職務、処遇、つまり通常の正社員として勤務してもらわなければならないケースがあります。正社員と同様に働く能力のない人に、正社員と同様の給料を払って、ボーナスも出し、更に退職金も出すのでは会社としては納得できません。

このようなことを防止するために、無期契約社員の就業規則を作成されることをお勧めします。

また、「無期転換の申出」を防止するために、契約の更新を5年を超えない範囲に限定し、契約社員就業規則、パートタイマー就業規則に定めておくことも考えられます。

この場合には、5年を超える有期契約が締結されないわけですから、「無期転換」の問題は発生しませんが、有能な契約社員やパートタイマーを失うことにつながります。そこで、5年以内に正社員への登用の道を確保しておく、職務限定正社員として再雇用する等、企業の実情に合わせた人材育成及び確保の手段を講じておくべきです。

また、平成25年3月31日以前の有期契約を何度も更新してきて、雇用継続に対する期待がある労働者に対し、突然、平成25年4月1日以降は、5年までしか契約を更新しないとすることは、解雇と同視される場合があり、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められない場合には、解雇権の濫用」としてトラブルになる可能性が有ります。従来の有期契約者の労働契約の更新状況、回数、契約を更新した期間など、十分に調査を行った上で、トラブルを回避する方法を検討する必要があります。

 

労働者の意向を確認

「無期転換の申出」があった場合は、事業主は拒否できず、自動的に無期労働契約が締結されることになりますが、あくまでも、労働者から「無期転換の申出」があった場合に限ります。労働者本人が、無期転換することを望まない場合も考えられます。現在、有期契約の労働者を雇用している事業主の皆さんは、有期契約労働者に「無期転換権」について適切な説明を行い、その上で、労働者の意向を確認しておくことが必要でしょう。

いずれにせよ、無期転換する労働者が、発生することを想定して、無期契約社員就業規則を整備し、いざという時に、備えておくことが肝要です。有期契約労働者は、契約期間が満了となれば、自動的に退職となります。しかし、実際には、有期労働契約は何度も更新されていることが多く、簡単に、契約満了となることは少ないと思います。

また、政府の進める「働き方改革」は、有期契約労働者等の非正規労働者に対する処遇の改善も目的の1つとなっているところから、様々な形態の正社員への登用、無期契約社員としての継続雇用の対策を講じておくことが企業の発展の1つの要因となることでしょう。

ライター紹介

竹田 紀子

http://www.asahi-support.jp/

社会保険労務士法人 あさひ合同事務所
特定社会保険労務士
大手ホテル系レストランで、人事・労務に従事。
社会保険労務士資格取得後は、社会保険労務士事務所に勤務し経験を積む。
その後、愛知労働局 総合労働相談コーナーにて労働相談員として労働相談を受け、企業側、労働者側双方からの数多くの事例に労務管理のプロとして対応してきた。
現在の事務所に入所後は、顧問先の様々な問題に対するアドバイスを精力的に行っている。

関連記事

給与における各種手当の今後の動向

給与における各種手当の今後の動向

外国人の雇用について注意すべきポイントとは?

外国人の雇用について注意すべきポイントとは?

派遣労働者の受入のポイント

派遣労働者の受入のポイント

ジモト採用のことなら名大社にご相談ください

採用でお困りでしたら私たちがサポートに伺います

弊社は創業以来クライアント数延べ3,000社、東海エリアのジモト企業と求職者の数々の出会いの場を創出してきました。

ジモトに根ざした名大社だからこそわかる個社の魅力を発見し、求職者に誠実に伝えていく為、全力でサポートさせて頂きます。