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パートタイム労働者雇用おける留意点

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「食欲の秋」「スポーツの秋」、秋も深まり紅葉の見ごろも近づいてきました。皆さんは、秋の計画は何か立てていますか?

こんにちは、社会保険労務士法人あさひ合同事務所の竹田です。

私は紅葉狩りを目的に旅行の計画を立てています。素敵な休日を送れることを楽しみにしています。さて、最近では、飲食やサービス業を中心に人手不足が慢性化しています。求人を出してもなかなか採用ができません。中には、応募すらない企業もあるとか。今後の人事戦略にも大きな影響が出ています。まずは、在職する従業員の離職を防止することが必要ですね。

 

パートタイマーとは

皆さんの会社では、パートタイマーを雇用していますか?パートタイマーといえば、昨年の10月からパートタイマーの社会保険の適用が拡大されましたね。優秀なパートさんは、社会保険の加入などの処遇を改善することで定着率を高めることができると期待されています。

ところで皆さん、パートタイマーとはどんな労働者かご存知ですか?「時給の従業員」「労働時間が短い従業員」「出勤日数が少ない従業員」等会社によってさまざまな使い分けをしているのではないでしょうか。法律上パートタイマーについて規定しているのは、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」です。

「1週間の所定労働時間が同一事業場に働く正社員と比べて短い労働者」がパートタイマーと規定されています。

「契約社員」「アルバイト」「嘱託社員」など、色々な呼び方をしていても、正社員よりも1週間の所定労度時間が短い従業員は、全てパートタイマー(短時間労働者)になります。一方で、「ウチは、パートさんでも正社員と同じ時間働いて短時間ではない。」という会社もあるのではないでしょうか。なんだか混乱してきそうですね。

少し整理をすると、パートタイマーという「用語」は、労働基準法等の法令に規定されていません。従って、皆さんの会社でパートタイマーという「用語」をどう使おうが勝手です。しかし、パートタイマーは、正社員よりも働く時間が短いことが通常です。

そこで、パートタイム労働法では、短時間労働者が、正社員に比べて不利益な扱いを受けないように保護する目的で、短時間労働者についての様々な規定を設けています。つまり、全ての労働者に労働基準法等の法令が適用されますが、短時間労働者であるパートタイマーには、更に、パートタイム労働法で特別な保護を受けることができるということです。残念ながら、正社員と同じ時間働くパートタイマー(フルタイムパート)は、パートタイム労働法の適用は受けません。

 

フルタイムパートの処遇

しかし、ここで問題となるのは、同一労働同一賃金です。フルタイムパートは、同じ仕事をしていて、正社員とパートという雇用契約の形態の違いのみで、給料の額が異なることは認められるのでしょうか?

パートタイム労働法では、

  1. 職務内容が正社員と同一
  2. 人材活用の仕組みが正社員と同一

の2つの要件を満たせば、賃金など一切の労働条件について差別をすることは認められません。

フルタイムパートは、パートタイム労働法が適用されませんが、そもそも、職務内容が同じで、人材活用の仕組みが同じであれば、賃金も同一(評価などによる差は別として)でなければなりません。月給と時給との違いがあっても、時給換算すると同額であることが求められます。そうすると、現在、雇っているフルタイムパートの時給を正社員並みに引き上げなければならないのでしょうか?

必ずしもそうではありません。パートタイム労働法にそのヒントがあります。職務内容及び人材の活用の仕組みが正社員と同一でなければ、賃金等の処遇に合理的な違いがあっても良いわけです。そうであれば、フルタイムパートの職務内容(職種のみならず仕事上の責任の範囲、権限等)に違いがある、又は人材の活用の仕組み(異動や転勤、組織上の地位等)に違いがあれば、合理的な範囲での賃金等の較差は認められます。

そのためには、職務内容の洗い出しやキャリアパスの作成によって、職務内容や人材の活用の仕組みを明確にしておくことが大切です。

 

会社の対応

ここで短時間のパートタイマーに話を戻します。短時間のパートタイマー(以下では、パートといいます。)は、労働基準法等の他、パートタイム労働法でも保護されますが、会社としては、具体的に何をすべきでしょう?

まず、採用時に、労働基準法で労働条件を書面で明示することが義務付けられていますが、更にパートには、

  1. 昇給
  2. 賞与
  3. 退職金

のそれぞれについて有無を明示する必要があります。また、賃金などの待遇について、どういう理由でその待遇に決めたのかを説明しなければなりません。賃金は、パートが一律いくら、ではなく、仕事の内容や、経験、能力に応じて決定する必要もあります。

次に、パートから正社員に登用する制度を導入する必要があります。これは、必ずしも希望するパートを正社員にしなくても、正社員を募集するに際して、パートにその内容を知らせるなど正社員になる機会を与えることで足ります。

その他、休憩室や更衣室その他の福利厚生施設や制度の利用について、正社員と差別してはなりません。教育訓練についても、正社員と同様の職務を行うパートには、同様の教育を受けさせる義務があります。これらのことを就業規則や労働契約書に適切に記載し、実際に運用することが肝心です。

パートタイマーは、多様な働き方の1つの形態です。パートだからといって、景気の好不況の調整弁として使用して良いものではありません。今後は、高齢者等様々な価値観や世代、家庭環境の労働者が今以上に増加することが予想されます。企業は、多様な人材を受け入れる公器となり、より良い職場環境を提供し、収益を上げる義務があります。

そのためにも、様々な従業員を戦力化することが求められます。従業員のタイプや機能に即した就労環境や教育の機会を確保することが必要ですね。人材不足、採用難は今後も常に企業の課題となっていくことでしょう。

従業員にとって働きやすい、魅力ある会社作りが、従業員の定着率を高め、新規採用をスムーズにすることでしょう。

ライター紹介

竹田 紀子

http://www.asahi-support.jp/

社会保険労務士法人 あさひ合同事務所
特定社会保険労務士
大手ホテル系レストランで、人事・労務に従事。
社会保険労務士資格取得後は、社会保険労務士事務所に勤務し経験を積む。
その後、愛知労働局 総合労働相談コーナーにて労働相談員として労働相談を受け、企業側、労働者側双方からの数多くの事例に労務管理のプロとして対応してきた。
現在の事務所に入所後は、顧問先の様々な問題に対するアドバイスを精力的に行っている。

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