こんにちは。採用から定着まで企業の成長を支援する株式会社アールナインの小松です。
夏からの新卒採用を成功させるためには、学生からの応募を「待つ」のではなく、積極的に「出会い」にいくことが大切ですが、実はもう一つ、成否を分ける採用のポイントがあります。
それが、学生とのコミュニケーションです。
「夏までの学生」と「夏からの学生」の特徴も押えながら、採用を成功させるために、学生とのコミュニケーションは次のようなポイントを意識していきましょう。
夏以降に就職活動をしている学生の特徴とは?
前編でもご紹介しましたが、夏以降に就職活動をする学生は、大きく3つに分類できます。
- 部活、留学、研究、資格試験、公務員試験などで今まで全く就職活動をしていなかった学生
- 就職活動をずっとしているが、内定がもらえない学生
- 内定はもらったけれど、「納得していない」「他社が見たい」などの理由で続けている学生
この3つのタイプに共通する特徴が、
「自分は何がやりたいのか、どんな環境で働きたいのか、よくわかっていない。あるいは、その考えがきちんと言葉で整理されていない」
ということです。
たとえば、1の学生たちは、今まで他のことに打ち込んでいたので、就職活動についてはこれから考えるという状況です。特に資格試験や公務員試験組は、自分が目指し、思い描いていた仕事から軌道修正をせざるをえなくなった直後でもあります。
大学3年の夏のインターンシップの頃から「就職」に向き合い、自分がどんな会社でどんな仕事をしたいのか?を考えてきた学生と比べると、その点が大きく違います。
2のタイプは、ずっと「就職」に向き合ってきたにも関わらず、自分の中で答えが見つかっていない、あるいはその答えを他人にわかりやすく伝えられていないからこそ、「内定をもらえない」という状況にあります。
そして3のすでに内定をもらっているのにも関わらず、活動を続けている学生は、一度は答えを見つけたものの、その自分で出した答えにしっくりきていないからこそ、わざわざ活動を続けているのでしょう
このように、夏からの新卒採用で出会う学生は、「考えがまだ漠然としている、あるいは他人にわかりやすい言葉で整理されていない」可能性が非常に高く、だからこそ、コミュニケーションでは次のようなスタンスが重要になってきます。
学生の「答え」を一緒に見つけるスタンスを
それが、学生のなかにある「答え」を一緒に探していこうというスタンスです。
たとえ「志望動機を教えてください」「自己PRを教えてください」といった質問にうまく答えられなかったとしても、そこで判断してしまうのではなく、目の前の学生の志望動機は何なのか、その学生は一体どんな人物なのか、それを見つけるようなスタンスでコミュニケーションを深めていきましょう。
- 「それって、本当はどんなことがやりたいの?」
- 「それはどうしてなの?」
- 「どうしてそう考えたの?」
- 「将来どうなりたいと考えている?」
- 「それはなぜなの?」
このように、面接での会話を通して、学生自身が自分自身の中にある答えを見つけられるような質問を投げかけ、そして答えが見つかるまで、「どうしてなのか?」「なぜなのか?」を真摯に、温かく問いかけてみてください。
ただしこのときに、「それはなぜなのか?」「どうしてなのか?」が詰問のようになってしまい、学生が威圧されたと感じてしまうことがないように、学生の答えを待つ余裕を忘れないようにしましょう。
「就職」や「就職活動全般」のよき相談相手を目指して
夏から就職活動を行う学生は、就職活動の準備をする時間が短いからこそ、春の学生に比べて就職や就職活動全般について、悩み、考え、模索しながら活動している可能性があります。
だからこそ、まとめられた答えを求めるのではなく、学生たちの思いや考えを丁寧に聞きだし、彼らが何に迷っているのかを知ることから、学生を理解するように努めましょう。
そして自社の情報を伝えるだけでなく、「社会人の先輩」として中立的な立場で、就職することや就職活動全般について、ぜひアドバイスや情報提供(上から目線のお説教とは異なりますので、ご注意を!)をしてあげてください。
自社に関係のない就職活動全般のアドバイスは、一見時間の無駄のようにも感じるかもしれませんし、そのようにフォローしていた学生が結局他社へ就職を決める可能性も、もちろんゼロではありません。
しかし、「企業と就活生」という立場ではなく、学生と「人と人」として向き合うことで生まれる「就職という人生にとって重要なことを考えるときに、力になってくれた」というインパクトは、目に見えないながらも非常に大きく、
- 「こういう先輩と一緒に働きたいと思った」
- 「こんな社会人になりたいと思った」
という理由で入社を決めてくれることもありますし、たとえ自社にご縁がなかったとしても、翌年後輩に「あの会社はよかったよ」と口コミしてくれる可能性もあります。
特に中小企業の若手社員に話を聞くと、入社の決め手がこのように「人事採用担当者」だったことは本当によくあります。学生の良き相談相手を目指すようなコミュニケーションで、夏からの新卒採用を成功させていきましょう。