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従業員とのトラブル解決法

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社会保険労務士法人あさひ合同事務所の竹田です。

毎日暑い日が続きますね、皆さん体調はいかがでしょうか?熱中症には十分注意が必要です、水分補給をこまめにしましょう。そろそろ夏のボーナスの支給の時季ですね。ボーナスが支給されると人が動きます。職場に不満を持っている従業員の退職が増加します。先日、こんな事件がありました。

 

1通の内容証明郵便

1通の内容証明郵便が、会社に届きました。差出人は、2カ月前に退職した元従業員です。

その内容は、「在職中の未払い残業代300万円、退職に至ったのは上司のパワハラが原因なので慰謝料として100万円、合計400万円支払え。」というものでした。

元従業員は、1週間以内に400万円を支払わないと、法的手段に訴えると言ってきています。

困った社長さんは、当事務所に相談に来られました。そこで、過去2年間のタイムカード、賃金台帳を調べたところ、元従業員の主張する300万円の残業代は過剰請求であることがわかり、実際には100万円ほどでした。

しかし、会社側は、「基本給に残業代を含んでいる、採用時にそのことはちゃんと説明している。」との主張でした。また、上司に聞き取り調査を行いパワハラの事実を確認しましたが、多少の行き違いがあったものの、適正な指導の範囲であり、パワハラがあったとは認定できませんでした。

 

具体的な対処法

今回の問題を解決するにはどうしたら良いでしょう?まず第1に考えられるのは、元従業員と直接話し合いをすることです。

次に考えられるのは、公の場で白黒はっきりさせることです。

元従業員の請求を無視するというのもありますが、これだと、最初から訴訟に発展し、多大な労力と費用、長い時間がかかるリスクが高まります。

第1の方法の従業員との直接の話し合いはどうでしょうか? これも、双方が感情的になり、話し合いが平行線になる可能性が高いでしょう。

となると、「公の場」つまり法的手段を用いて決着をつけるしか方法はありません。「公の場」には、次の3つが考えられます。1つは、「あっせん」という制度であり、次に「労働審判」、最後に「訴訟」です。

 

「あっせん」が利用しやすい

以上の3つの方法のうち、「あっせん」の制度を利用するのが、費用や時間の面から、まずは検討すべき方法です。

「あっせん」は、労働局の紛争調整委員会又は各県の社会保険労務士会の運営するADRセンターのあっせん委員などによって行われます。「あっせん」は、「労使間で起こった解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件やいじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争等」について、労使双方が、間接的に話し合いの場を持ち、解決する制度です。つまり、今回のケースでは、残業代の未払やパワハラを理由とした紛争なので、あっせんの対象となります。

ただし、労働局の紛争調整委員会の「あっせん」は、残業代の未払いは、対象とできませんので、社会保険労務士会のADRセンターで「あっせん」を行いました。

 

実際のあっせんの流れ

今回は、元従業員からの請求により労使間で紛争が生じましたので、会社側から「あっせん」の申立を行いました。会社としては、「未払い残業代はない」との主張なので、元従業員の請求は理由がないので、認めないという内容です。

元従業員は、「あっせん」に応じて参加となりました。「あっせん」は、原則1~3回程度の話し合いにより解決を目指します。

今回は、1回の話し合いで、決着がつきました。

会社側が、残業代の未払い及びパワハラの慰謝料は認めないが、今回のトラブルに至った原因は、元従業員とのコミュニケーション不足でその一因が会社にあるとして、「解決金」として給料の3か月分を支払うことで和解しました。元従業員もこの話し合いで納得し、今後、一切の請求はしないということになりました。

 

労働審判と訴訟

今回は、非常にスムーズに解決ができましたが、元従業員が、和解を望まず、不成立となれば、おそらく、次のステップとして「労働審判」に進むと予想されます。

「労働審判」は、裁判所で行う手続きです。「労働審判」は、裁判官1人と労働審判員2人からなる労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で審理し、調停又は事案の実情に応じた審判を行う制度です。

「労働審判」の結果に不服がある場合には、通常の「訴訟」に移行することになります。「労働審判」及び「訴訟」は、裁判所で行う手続きなので、専門的な書類の作成や証拠の収集など、素人にはハードルが高く、専門家である弁護士に依頼するケースが多いようです。

「あっせん」の和解による「解決金」などよりも高額の支払となることが多く、また、弁護士費用が発生するので、コストアップになる場合があります。

 

以上のように、「公の場」で労使間の紛争を解決する方法は、複数の手続きを選択できますが、まずは、紛争にならないように日常の人事労務管理を適切に行うことが大切です。

労働時間管理を適切に行い、賃金計算を確実に行う。働きやすい職場環境を整備するためにコミュニケーションをしっかりと取る、ハラスメントに対する社内教育を的確に行い従業員の意識を高めるなどです。

そのためには、就業規則を整備したり見直すことから始める必要があります。法令に則った、人事労務管理が良い職場環境づくりの第一歩となります。

ライター紹介

竹田 紀子

http://www.asahi-support.jp/

社会保険労務士法人 あさひ合同事務所
特定社会保険労務士
大手ホテル系レストランで、人事・労務に従事。
社会保険労務士資格取得後は、社会保険労務士事務所に勤務し経験を積む。
その後、愛知労働局 総合労働相談コーナーにて労働相談員として労働相談を受け、企業側、労働者側双方からの数多くの事例に労務管理のプロとして対応してきた。
現在の事務所に入所後は、顧問先の様々な問題に対するアドバイスを精力的に行っている。

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