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変形労働時間制をうまく活用するためには

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こんにちは、あさひ合同事務所、社会保険労務士の竹田です。

皆様の会社では、労働時間や休日をどのようにして決めていますか。

業種によってその決め方も様々だと思います。例えば製造業では、取引先のカレンダーに合せて工場を稼働させたりします。飲食店や小売店などは、土日は来客も多く休みにできない、デパートやショッピングセンターに出店している場合は、そこの休日に合せなければならないなどの事情があります。

法定労働時間は、原則として、1日8時間、1週40時間と定められていますが、その通りにすると、余剰人員を抱えなければならなくなったりします。そこで、労働基準法に定める「変形労働時間制」を取り入れることで、その問題を解消することが出来ることがあります。

「変形労働時間制」には、①1か月単位の変形労働時間制 ②1年単位の変形労働時間制 ③1週間単位の非定型的変形労働時間制などがあります。

 

1年単位の変形労働時間制

製造業などで利用されることが多いのは、1年単位の変形労働時間制です。

これは、対象期間を、1か月を超えて1年以内として、その対象期間内で1週間を平均して40時間以内とし、特定された週に40時間を超えて、又は特定された日に8時間を超えて従業員が働くことが出来る制度です。

法定労働時間通りだと、1日8時間勤務の場合、1週間で働ける日は5日(8時間×5日)となりますが、この変形労働時間制を使うと、1週間に6日(8時間×6日)とすることもできます。

取引先のカレンダーが、土曜日稼働になっている場合などは、この変形労働時間制を利用しないと、土曜日は、休日出勤となり割増賃金の支払いが必要ですが、変形労働時間制では、土曜日も通常の出勤日(所定労働日)となりますので、休日出勤手当を支払う必要がありません。

また、季節的に繁忙時期のある業種などの場合、1日の所定労働時間を10時間まで延長したり、連続12日間の勤務とすることが出来ます。

ただし、1週に1日の休日の確保が必要です。この変形労働時間制を利用するにあたっては、年間や月間カレンダーで、対象期間の所定労働時間、所定労働日数などを事前に決定し、労働者に知らせておく必要があります。

(例)2週間で休日が2日、所定労働日が12日

1年単位の変形労働時間制を利用する場合は、過半数労働組合又は労働者の過半数代表との労使協定を締結し、労働基準監督署長に届出る必要があります。労働契約又は就業規則にもその旨を定めておく必要があります。

 

1か月単位の変形労働時間制

飲食業や小売業などで利用されることが多いのが、1か月単位の変形労働制です。

これは、1か月以内の一定間を変形期間とし、変形期間の1週間を平均して40時間以内とするものです。

この変形労働時間制を利用する場合は、事前に変形期間の起算日(初日)を決めておき、更に、1日の始業及び終業の時刻を決めておくことが必要です。

例えば、月末は繁忙で、人手が沢山いるような場合には、1日の所定労働時間を8時間とせず、9時から20時(休憩は1時間)として、10時間の所定労働時間としたり、月の初めの暇なときは、10時から17時(休憩は1時間)として、6時間の所定労働時間とするなどができます。

この場合には、事業主の都合で好き勝手に日ごとに時間を変えることはできず、変形期間の起算日までにシフト表などに従業員ごとの勤務時間及び出勤日を決めておかねばなりません。

この変形労働時間制は、変形期間ごとに労働時間を計算し、1週当たり40時間を超えた場合には、残業時間として計算します。また、休日は、原則として、1週間に1日必要ですが、就業規則などに起算日を定めることで、4週間に4日の休日(変形休日制)とすることが出来ます。

この変形休日制を利用した場合、次の例のように勤務日を指定することが出来ます。

(例)月の初日(1日)を起算日とした4週4休制とする場合

1カ月単位の変形労働時間制を利用する場合は、過半数労働組合又は労働者の過半数代表との労使協定を締結し、労働基準監督署長に届出るか、就業規則またはそれに準ずるものにその旨を定めておく必要があります。労働契約書にも定めておきましょう。

 

1週間単位の非定型的変形労働時間制

1週間単位の非定型的変形労働時間制は、日ごとの業務に著しい繁閑の差があり、事前に予測ができる小売業、旅館、料理飲食店で常時使用する労働者数が30人未満の事業場(店舗単位)が利用することができる制度です。

週末は忙しく、週の初めや週の半ばが比較的手の空くような場合には、事前に週の初日迄に1日の所定労働時間を10時間以内で定めて労働者に通知しておき、1週間の所定労働時間が40時間以内であれば良いとするものです。

1週間単位の非定型的変形労働時間制を利用する場合は、過半数労働組合又は労働者の過半数代表との労使協定を締結し、労働基準監督署長に届出る必要があります。

 

以上、3つの変形労働時間制を紹介しましたが、1カ月単位の変形労働時間制は、法定労働時間の特例を適用することができます。法定労働時間の特例とは、商業、保健衛生業、接客業などの業種で常時使用する労働者数が10人未満の事業場では、1週の法定労働時間を40時間ではなく、44時間とすることができるものです。

つまり、1ヵ月単位の変形労働時間制では、1カ月以内の変形期間を平均して1週44時間以内とすることができるのです。

1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制は、この法定労働時間の特例は適用できません。

いずれの変形労働時間制についても、カレンダーやシフト表のとおりに運用するのが原則です。所定労働時間を超えて働かせたり、所定労働日以外に働かせた場合には、残業代や休日手当の支払いが必要になることは言うまでもありません。変形労働時間制を適正に利用することで、無駄なコストを省き、繁忙期に労働力を集中させることが可能となります。利用をご検討されるのも良いのではないでしょうか。

ライター紹介

竹田 紀子

http://www.asahi-support.jp/

社会保険労務士法人 あさひ合同事務所
特定社会保険労務士
大手ホテル系レストランで、人事・労務に従事。
社会保険労務士資格取得後は、社会保険労務士事務所に勤務し経験を積む。
その後、愛知労働局 総合労働相談コーナーにて労働相談員として労働相談を受け、企業側、労働者側双方からの数多くの事例に労務管理のプロとして対応してきた。
現在の事務所に入所後は、顧問先の様々な問題に対するアドバイスを精力的に行っている。

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