あなたの「ホーム」はどこですか?
安心できて、はたらきやすくて、ベストな仕事ができる。そんな「ホーム」があれば、力を十分に発揮してはたらけるに違いない。
「ホーム」ってなんでしょう?地域のエピソードを参考に、色々な角度から、このテーマを考えてみます。
あなたの「ホーム」には何が必要だと思いますか?
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ボランティアを糧に仕事を楽しむ人の話
今回は、私がライターの他に仕事で関わっている、地元の公共施設で働くあるスタッフさんの話をしようと思います。
その人は、昨年60歳定年をむかえて、長年勤めた職場を退職した人。第二の職場として、地域のボランティア団体やNPO法人をサポートする仕事を選びました。聞けば、子どもの頃はボーイスカウトで活動し、社会人になってからもレクリエーション指導者として子どもの健全育成に取り組んできたのだとか。
子どもたちだけでなく、レクリエーションを指導する大人向けの講義もできる。バルーンアートや簡単なマジックが得意で、場を和ませる話術にも長けている。その道のベテランです。
そんな人が地域で働き始めて一年。「バルーンアートを教えてほしい」「マジックをしにきてほしい」と高齢者や子ども向けに活動する団体からひっぱりダコ。自分の学んできたレクリエーションやアイスブレイクのスキルを地域の人にも広めています。
「第二の人生、やりがいを持って楽しんでいます」
と語り、楽しそうに仕事をしています。好きで続けてきたことが、地域の人たちから必要とされる。
プライベートな時間のボランティアにも真剣に向き合ってきたからこそ、仕事で生かせる日が来た。一緒に働く仲間ながら、こんな人生も素敵だなってお手本にしたくなる人です。
これもまた、自分が輝ける「ホーム」の見つけ方ですよね。
様々な広がる力を磨く場
ボランティア、プロボノ、社会人インターンなど、仕事以外の場で、自分の能力を伸ばしたり、実践的に使ってみたりする場は、ますます多様になっています。
「文章力をつけるためにWebマガジンで記事を書いてみよう」「趣味のイラストを生かして地域のイベントのチラシをつくってみよう」「ずっと勉強してきた英会話を使って外国人向けのガイドボランティアをしてみよう」。
そうした場で力を磨き、本職で生かす人もいます。文章力やデザイン力を広報に。ガイド経験をコミュニケーションに。やりがいや達成感のあるかたちで、仕事に役立つ力を身につける道を探ってみるのも面白いかもしれません。
はたまた、趣味で身に付いた力が意外なところで生きる人もいます。
とあるシステム会社で、
「将棋の好きな凄腕のエンジニアがいまして。盤面で戦略を考えるような、先読みしたり、全体を俯瞰したりする視点が、システムを考える時にも役立つって言っています」
と語る人事担当の話を聞いたことがあります。
もしかしたらあなたにも、気付いていない趣味で身につけた力があるかもしれません。
そして、こうした個人の持っている能力を、認めて生かしていく組織の文化も大切です。プライベートで磨いた力、使えるものなら仕事でも生かさないともったいない。
あなたの隣で働く人は、仕事以外でどんなことに力を入れている人ですか?仲間の「好き」や「得意」に、あらためて目を向けてみてはいかがでしょうか。