第2回 「この企業とは相性がいいかも!」と思える採用ページを作る
事業内容、仕事内容、待遇、福利厚生、仕事環境やワークライフバランスなど、転職者が企業を選ぶときにチェックする項目はいろいろありますが、意外に重要なのが「社風」です。
本音の転職理由は、人間関係に関するものが非常に多いと言われていますが、だからこそ次では失敗しないように、社風、つまりそこで働いている従業員が自分に合うかどうかが企業を選ぶ際に大きなウェイトを占めてくるのでしょう。
たとえば、20代向けレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」を運営する株式会社ビズリーチが20代に行った調査でも、9割以上が転職活動の企業選びの項目として「従業員との相性」を「重視する」と回答しています。
では入社してもいないのに、転職者が何を基準に自分と従業員の相性を判断するかというと、1つは第1回でもご紹介したような面接での人事の対応で、もう1つが企業ホームページの採用ページです。
このコラムでも何度か紹介してきてはいますが、20代の転職者がホームページを訪れた時に「この会社は自分と合いそうだ」と判断できるような採用ページの作り方を、ここでもう一度確認しておきましょう。
転職者が「この企業とは相性がいいかも!」と思える採用ページとは?
「この企業は自分に合いそうだな」
転職者が採用ページをみてそう感じてくれたなら、その採用ページは十分に自社の魅力を伝えられています。そんな採用ページ作りを目指して、サイトには次の5つの情報を盛り込んでいきましょう。
➀従業員の写真がたくさん掲載されている
専門家によって諸説ありますが、人は出会ってから0.05秒~7秒くらいのうちに、相手の見た目で第一印象を決めるそうです。
パッと見の0.05秒から、挨拶を交わすくらいまでの7秒まで差はありますが、「ちょっといいな」「ちょっと苦手かも」という印象は、相手を初めて視界に入れてからわずか数秒で決まってしまうわけです。
これは企業ホームページの採用ページでも同じです。パッと見のデザインや、そこに写っている従業員の雰囲気で、「この企業はちょっといいな」「ちょっと自分とは違うかも」という第一印象が決まってしまいます。
特にその会社に入社したら、同僚や先輩となる従業員の雰囲気が伝わる写真はとても重要で、写真に写った従業員が
- 「いい感じだな」
- 「かっこいいな」
- 「楽しそうだな」
- 「こんな人たちと働いてみたいな」
と思えるような雰囲気であれば、それは文章でどれだけ多くを語るよりも強力に自社の魅力を転職者に伝えてくれる材料となります。
採用ページには経営者、管理職、中堅社員、若手社員など様々な従業員の様々な写真を載せていきましょう。
➁従業員の担当業務に対する思いがわかる
まずは「写真」でグッと転職者の心を掴み、第一印象で「この会社はなんか自分に合いそうかも」と自社に興味を持ってもらったら、次は従業員に共感してもらうことを考えていきましょう。
- どんな思いで仕事に臨んでいるのか。
- 担当業務で何を大切にし、何にやりがいを感じているのか。
企業で働く従業員のこうした思いは、それが転職者にとって共感できるものであれば、「自分と価値観の合う人が、この会社を選んで働いている」という大きな「魅力」となります。
共感できるかどうかは、そのメッセージを受け取る転職者の価値観次第ですが、「共感できる」「できない」を判断できるように採用ページの社員インタビューで従業員の思いをしっかり発信していきましょう。
➂従業員が描く将来の目標やキャリアがわかる
20代は、社会人として大きく成長できる時期であり、転職者も「この会社で自分はどう成長できるのか?」「そもそもこの会社に成長できる環境はあるのか?」という点をチェックします。
採用ページにはこの疑問に答える情報が必要になるわけですが、その時に教育研修制度や人事制度の紹介に加え、ぜひ企業で働く従業員が何に成長を感じ、今後どんな目標を持ち、キャリア形成をしたいと考えているのかも伝えていきましょう。
これは、自社がどんな成長ができる環境なのかを伝えるとても説得力のある情報となります。
前項の「従業員の担当業務への思い」と合わせ、これも社員インタビューの内容として伝えていくと、「自分と同じような目標やキャリアプランを持っている人が、ここの会社を選んでいる」という大きな魅力となるはずです。
④経営者や組織として大切にしていることがわかる
そして重要なのは、従業員に対する共感だけではありません。
前述の株式会社ビズリーチの調査でも、20代の8割以上が「ビジョンや事業戦略への共感」を「重視する」と回答しています。
御社の企業サイトに経営者のメッセージやビジョン、事業理念などはわかりやすく掲載されていますでしょうか。経営者の写真とともに、転職者に刺さる明確なメッセージを発信していきましょう。
情報はシンプルに、わかりやすく、見た目もよく!
ここまでご紹介したような情報をしっかり盛り込んでいくと、応募者の数や質はかなり変わってくると思います。
しかしもし、
「社員インタビューも、経営者のメッセージも、制度の情報も、必要な情報は全部載せているのに、イマイチ応募者が集まらない」
という状況であれば、それはもしかしたら、情報がわかりにくく、「情報は載っているけれど、転職者には伝わっていない」、あるいは「企業の魅力はたくさんあるのに、デザインが魅力的ではなく、『見た目』でダメ判断されてしまっている」状態になっている可能性があります。
これらの情報を転職者にしっかり届けるには、シンプルに、わかりやすく、かつある程度の見た目の良さが必要です。
情報がしっかり転職者に届いた上で、「この会社は自分には合わなそうだ」と判断されるのであれば、それはお互いにとってメリットのあることですが、きちんと情報が伝われば実は相性がよいのに情報が伝わらないことで「合わない」判定をされてしまうのはお互いに非常にもったいないことです。
そうならないためにも、採用ページはシンプルにわかりやすく、見た目の良いページを目指していきましょう。
※転職者に応募してもらえる採用ページを作るポイントは、こちらのコラムでも紹介しています。よろしければぜひどうぞ!
→「転職者が会社選びで実は気にしている3つのこと 」