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女性が結婚後も働き続けられる職場環境づくりを考える【4】

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第4回 「女性が働き続けやすい職場」ってどんな環境?

こんにちは。採用と人材育成のコンサルティングを行う株式会社アールナインの小松です。

この連載では、「結婚し出産しても、女性が働き続けられる職場環境づくり」について考えてきましたが、この問題は本当に難しく、なかなか一筋縄ではいきません。

それは制度だけでなく「夫が外で働き、妻は家庭を守る」という根深い意識の問題、制度を利用する社員の業務を負担する周囲の社員の不満など、制度を整えただけではすまない風土や感情の問題があるからです。

それでも結婚し、出産しても働き続けやすい職場づくりを始め、成果を上げている企業もあります。連載第4回では、そんな事例を紹介しながら「働き続けやすい職場」についてまとめてみたいと思います。

 

ほとんどの社員が17時に帰っても10年連続成長している企業

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累計販売本数600万本突破の大ヒット商品、ホットクレンジングゲル「maNara(マナラ)」などを手掛けるランクアップ。社員の半分が子育てしながら働く「ママ社員」である同社は今、「女性が働きやすい職場」としても注目されています。

ランクアップは

  • 16時までの時短勤務
  • 子どもの看護休暇(年5日間の有給)
  • 2~6時間まで時間単位で休める「時間休」制度
  • 子どもが熱を出したら病児保育スタッフを自宅に派遣する(社員負担は1日300円)

など、ママ社員が働き続けやすい制度が整っていますが、同社の素晴らしいところは実はそれ以外にあります。

子育て中の社員だけでなく、ほとんどの社員が17時に退社するだけでなく、

  • 就業時間中にピラティスのレッスンが受けられる
  • 健康のための無農薬の野菜を支給
  • 無添加の惣菜を100円で購入できる「オフィスおかん」

など独身社員も利用できる福利厚生も充実しているのです。

時短勤務や子の看護休暇など子育て支援制度の充実は、時として「子どもがいるからって、早く帰れる(優遇される)のはずるい!」と「子持ち社員VSその仕事を負担させられる独身社員」の対立構造をつくってしまいがちです。

しかし、ランクアップのように仕事が終われば誰もが17時に退社できるのであれば、「あの人だけ早く帰ってずるい」という感情はうまれません。独身社員も利用できる福利厚生制度が充実していれば、「子育て社員だけずるい」ともなりません。

「女性が結婚し出産しても働き続けやすい」だけを意識すると、結婚していない、あるいは子どもがいない社員との間に不公平感が生まれることもあります。それを解消し、「誰にとっても働き続けやすい」環境づくりを目指しているのが、ランクアップが成功している理由ではないかと思います。

結果として同社の離職率は極めて低く、必然的に社員の熟練度は高くなります。それが、ほぼ全員が17時に帰りながら10年連続業績が右肩上がりという成長を成し遂げているのではないでしょうか。

 

1度やめても戻っておいで!ジョブ・リターン制度

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また子育て中の勤務を支援するだけでなく、ジョブ・リターン制度のように長い目で見て「仕事がまた続けられる」環境があれば、結婚・出産を経ても働きやすくなります。

ジョブ・リターン制度は、結婚・出産、介護、配偶者の転勤など様々な理由で退職した社員を本人の希望があれば再雇用する制度で、ライオン、ニトリ、トッパン・フォームズなど大企業を中心に多くの企業で導入されています。

企業によって制度を利用するのに必要な勤続年数、退職事由などは様々ですが、厚生労働省の「平成23年度雇用均等基本調査」では53.1%の事業所で導入されているという報告もあります。

一度辞めても再びキャリアをスタートできるなら、女性の仕事に対する考え方も変わります。

今は、たとえ時短勤務をしても、仕事と子育てを両立するのは家族のサポートや保育園などの環境が整っていないとなかなか難しいのが現状です。

そのため、育休や時短勤務などの制度を利用せずにやむをえず退職を選ぶ女性も多いですが、職場にジョブ・リターン制度があれば、彼女たちは子育てが一段落した後に再び戻って仕事を続けることができます。

また、「一度辞めたらキャリアが途絶えてしまう」「一度辞めたら、正社員として再就職するのが難しい」という理由で無理をしながら仕事を続けている社員も、一度退職しても正社員としてキャリアの再構築ができる選択肢があれば、安心して数年間は子育てに専念する道を選べるかもしれません。

ジョブ・リターン制度は会社にとっても、即戦力で自社の風土やルールをよくわかっている人材を効率的に採用できるというメリットがあります。

離職期間のある社員の受け入れ、ブランクを埋めるためのジョブ・トレーニングなど課題もありますが、「ブランクがあっても職場に戻ってこられる」環境があれば、結婚や出産などのライフイベントを経ても仕事を続ける選択をする人はもっと増えるでしょう。

 

女性社員の声に耳を傾け柔軟な制度設計を

4回の連載にわたって「結婚し出産しても、女性が働き続けられる職場環境づくり」について考えてきましたが、こうした職場作りにはいくつかのポイントがあるように思います。

まずは、男性も女性も「夫が外で働き妻は家庭を守るべき」という考え方に半数近くの人が賛成しているということ。これが制度を作っても風土が伴っていないため運用が追い付かず、マタハラなどの原因にもなります。

また、働き続けたい女性もいる一方で、この考えに賛成している女性も半数近くはいることから、「子育て中だから業務が軽いほうがいいだろう」「子育て中でもやりがいがあるほうがいいだろう」と本人の希望を無視して配慮したり制度を設計したりしてしまうと、それが本人や周囲のモチベーションダウンになることもあります。

さらに「子育て支援」ばかりに目を向けてしまうと、独身社員や子どもがいない社員との間に不公平感も生まれてしまいます。

こうしたことを避けるためにも、実際に制度を利用する社員や、その周囲の独身社員の声に耳を傾けて、実際のニーズに合わせながら、「結婚して出産した女性」だけでなく全ての社員にとって働きやすい職場環境を柔軟に設計していくことがとても大切だと思います。

試行錯誤を繰り返しながら作り上げていく気持ちで、女性が長く働きやすい環境を作っていきましょう。

ライター紹介

小松 紀子

http://r09.jp/

株式会社アールナイン
一般社団法人国際キャリア・コンサルティング協会
1997年国際基督教大学教養学部卒業。

大手人材紹介会社で人事、経営企画、キャリアアドバイザーを経験。在職中、転職希望者へのサービス向上プロジェクトや、ナレッジマネジメントプロジェクトなど多くの全社プロジェクトに参画する

現在は株式会社アールナインの広報及び一般社団法人国際キャリア・コンサルティング協会の広報を担当しながら、中小企業への就職・転職促進を目的とした情報サイト「信州人キャリアナビ」にて数多くの経営者・キャリアインタビューを通じ、地方中小企業の情報発信、採用支援を手掛けている。

アールナイン:http://r09.jp
国際キャリア・コンサルティング協会:http://icca-japan.or.jp

株式会社アールナイン

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