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女性が結婚後も働き続けられる職場環境づくりを考える【2】

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第2回 企業・個人に「持続可能」な育休制度と時短制度とは?

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こんにちは。採用と人材育成のコンサルティングを行う株式会社アールナインの小松です。

結婚しても夫と二人きりのうちはまだ、本人が希望すれば独身時代とほぼ変わりなく仕事を続けることができますが、妊娠・出産し、子育てに直面するとそれも難しくなります。

自分の代わりに全面的に子育てをしてくれる実母や姑、あるいは夫がいない限り、「独身時代と変わりなく」仕事を続けることはほぼ不可能でしょう。

結婚し出産した後に女性が働き続けられる環境づくりは、このように家族のサポート体制も大きく影響しますが、それでも企業の制度次第で仕事の続けやすさは大きく変わってきます。

そこで第2回では、女性が結婚後も働き続けられるための支援制度について考えてみたいと思います。

 

中小企業でも導入が進む育児休暇制度

出産後に働き続けられるための制度として、まず真っ先に上がるのが「育児休暇」制度です。この育児休暇制度も近年多くの企業で導入が進んできました。

労働省と労働政策研究・研修機構のデータをもとに比較してみると、1999年から2007年の間に従業員数30~99人の中小企業で育休制度の導入が大きく進み、30人以上の企業のほぼ8割が導入していることがデータからわかります。

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さらに、厚生労働省の「平成26年度雇用均等基本調査」によると、1年間で育児休暇を取得した社員がいる事業所の割合は86.6%となり、平成20年の90.6%をピークに徐々に減少していた取得率も少しずつ上がってきました。

同調査では、他にも平成14年度では30人以上の企業のわずか10%にしか導入されていなかった「子の看護休暇」100~499人の規模の企業で91.6%、30~99人規模の企業で78.4%で導入されていると発表されており、子育てのための休暇制度は確実に整ってきていることがわかります。

 

時短勤務もフレキシブルに変化

育児休暇と同様、もしくはそれ以上に、子育てしながら働きやすい職場づくりに欠かせないのが時短勤務制度です。

経団連が2013年に行った「女性活躍支援・推進などに関する調査結果」では、7割の企業で「3歳までという法定の期間を超える利用を可能とする」制度を導入していることがわかりました。

さらにこの時短勤務制度も、今は個人のニーズにフレキシブルに対応できるような企業も増えてきています。

たとえば短時間勤務を申請していても、

  • 「今日は夫が帰ってくるから」など仕事ができる日はフルタイムと同様に働ける
  • 一度短時間勤務をやめても、状況に応じてもう一度使える
  • 状況に応じて小学校6年生まで利用できる
  • 勤務時間を30分刻みで2時間まで仕事の前後に配分でき、1か月ごとに変更できる

このように、子育て中といっても利用する社員の状況は一定ではありません。また、19~20時まで預かってくれる保育園と異なり、「小1の壁」といわれるように3歳までよりも小学校に上がってからのほうが子どもの預け先に困るという現実もあります。

利用する社員の現状とニーズに合わせて、柔軟な時短勤務を可能にすることで、無理なく働き続けられる環境が整っていくでしょう。

 

育児休暇・短時間勤務度の導入だけでは乗り切れない理由

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しかし、こうした制度があれば子育て中も働きやすい職場になるかというとそうではないのが難しいところです。

たとえば、女性社員が育児休暇・時短勤務を利用する間の人員問題。派遣スタッフや社内の人事異動で対応できる職種であればいいのですが、中小企業だとそうもいかずに周囲の同僚がカバーすることも少なくありません。

このときに制度を利用する女性社員が周囲に気遣いができるタイプであれば、比較的うまく回りますが、そうでなければカバーする社員に不満が募ります。

その不満が、「先輩社員が育休・時短勤務中のフォローが大変だった。私はああなりたくないから、子どもができたら辞めます」と後輩社員の出産退職につながることも少なくありません。

そして時短勤務中はフルタイムよりも勤務時間が少ないことから、出産前よりも業務負荷も責任も軽い仕事へ異動になり、これが女性社員のやる気をそぐ結果になることも、これまたよくあります。

出産が理由の不利益な扱いを男女雇用機会均等法では禁じていますが、実際には部署全体の業務に支障がでないように、また本人への業務負担を軽くするようにという配慮から致し方ない場面も多々あるでしょう。

もちろんその環境で能力を発揮し、限られた時間で最大限能力を発揮する女性もいますが、「今まで頑張ってきたのに、こんな仕事しかさせてもらえないなんて」と喪失感にとらわれてしまう女性もいます。あるいは、「どうせ簡単な業務だけだから」と開き直る、いわゆる「ぶら下がり社員」を生むこともあります。

育児休暇や時短勤務の制度を利用してうまくいくかどうかは、その女性社員の能力や性格、周囲との人間関係による部分もあるのもまた、現状ではないでしょうか。

 

「支える人」「制度を利用する人」双方に必要な人事面での考慮

しかし、利用する女性社員個人の能力や性格、周囲との人間関係による部分が大きいようでは、企業にとっても個人にとっても「持続可能」な制度とはとてもいえません。

そのためには、たとえば今後は時短勤務社員の業務のサポートをしている職場の「支える人」に、人事制度上の評価などなんらかの「報酬」を与えることも考えられます。

現状は「困った部分はお互いさま」なので、「快く手伝える人」「そうでない人」となってしまいますが、時短勤務を利用する社員の業務をサポートすることが評価対象になれば、周囲の「サポートする」モチベーションも変わってくるかもしれません。

また制度を利用する女性にも、「時短勤務を利用したらもうキャリアは終わりではない」と思えるよう、定期的に面談などのコミュニケーションをとり、今後の希望やキャリアプランを共有することも大切です。

結婚・出産後の女性が働きやすい職場環境づくりのためにも、育児制度や時短制度などの福利厚生制度だけでなく、人事制度も考慮した配慮や整備が今後は必要かもしれません。

次回は制度があっても退職せざるをえなかった女性の事例を紹介しながら、運用する上でもっとも大切なポイントを考えてみたいと思います。

ライター紹介

小松 紀子

http://r09.jp/

株式会社アールナイン
一般社団法人国際キャリア・コンサルティング協会
1997年国際基督教大学教養学部卒業。

大手人材紹介会社で人事、経営企画、キャリアアドバイザーを経験。在職中、転職希望者へのサービス向上プロジェクトや、ナレッジマネジメントプロジェクトなど多くの全社プロジェクトに参画する

現在は株式会社アールナインの広報及び一般社団法人国際キャリア・コンサルティング協会の広報を担当しながら、中小企業への就職・転職促進を目的とした情報サイト「信州人キャリアナビ」にて数多くの経営者・キャリアインタビューを通じ、地方中小企業の情報発信、採用支援を手掛けている。

アールナイン:http://r09.jp
国際キャリア・コンサルティング協会:http://icca-japan.or.jp

株式会社アールナイン

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